KHAN Cの音質レビュー

最近KHAN Cについてのオーダーから音質までのブログを書きましたが、聴いていくうちに音質について書き足りないことが多くあったので、ここで別に書き足します。

↑のブログはこちらです

https://omati.hatenadiary.com/entry/2021/08/21/KHAN_C%E3%81%AE%E6%84%9F%E6%83%B3_%EF%BD%9E%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC%E3%81%8B%E3%82%89%E7%9D%80%E5%BC%BE%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%AC%E3%81%BE%E3%81%A7%EF%BD%9E_1

 以前のKHAN Cについてのブログでも書きかましたが、内部配線がシルバーワイヤーへと変更になっています。

このワイヤーは香港版SULTANで採用されたもので、KHAN C向けに使われているものではないので音質的には期待はしていなかったのですが、あまりにも良かったので別に感想を書きたそうと思った次第です。

 

比較する時は基本的に持っている・持っていたイヤホンとしていきます。

 

まず

Nobleと言えば幅広いデザインオプションが有名で、何かやりたいデザインがあるからオーダーしようという方も少なくはないと思います。ですが私がオーダーしたKHAN Cはフェイスプレートのみしかデザインを選択することができません。

KATANA C、ENCORE Cをデザインを選んで遊んだのに、あまりデザインをいじれないKHAN Cをオーダーする必要はあるのか?と思っていました。KATANAとENCOREと同じく値段が高いのに、KHANだけはデザインが選びにくいのは致命的です。

ですがKHANのデザインは置いておいて、音質・フィット感のみで値段分の価値はあるかと思います。

 

音質

いままで聴いてきたイヤホンの中で、圧倒的に開放型ヘッドホンに近いです。

何が開放型ヘッドホンに近いというと音場です。今まで聴いてきたイヤホンの中で一番奥行表現が優れています。

いつも聴いている音場が0距離としたら、KHAN Cは1.2歩先で展開されます。

何かが凹んでいるわけではなく、扇状な音場の全てが1.2歩先で展開される感じです。

その音場も平面ではなく、基準の音が1.2歩先で一番近いとしたら、そこから後ろへとバックサウンドが広がっていきます。

この音場表現が開放型ヘッドホンのそれです。

低域の包み込むような感じで広大なホール感を演出しているのではなく、全ての音がただただ奥・奥・奥です。

 

この一歩先で音が展開される感じはベントも影響していると思います。

ベントを搭載していて一歩先で音場が展開されるイヤホンは、Unique Melodyも得意にしていると思っていますが、少し違います。

ベントが2つあるMaverick 2カスタムは同じくヌケは良いですが、開放型ヘッドホンというよりは横への広がりは控えめで、ニアフィールドスピーカー的な鳴り方です。

 

また以前持っていたMason 3(ベントはないですが)はヌケが良くKHANと同じく基準の音は少し前目で音場が展開される感じでしたが、KHANほどさらに奥へと音場は広がらずに横一線な感覚だったので、開放型ヘッドホンという感想は湧いてきませんでした。

 

KHAN Cに至っては聴いて直ぐに開放型ヘッドホンみたいだと思わせるほどに音場が似ています。

以前持っていたKHANではあまり開放型ヘッドホンみたいだとは思えませんでした。前方にヌケの良い音場はあるのですが、DDとBAの空白感が強くて、明らかにハイブリッド型「イヤホン」の鳴り方なのです。

DDの低域は存在感が薄く聴こえる音量も小さいため、音場の一番奥で鳴っている感覚です。低域から中低域~中域にかけて少しぽっかりと空白を感じます。

このぽっかり感が奥行感を作っているのならば悪くはないなと思っていました。

というのもパワフルな低域を出す内部配線のKHAN Cの試聴機は、低域がむしろ最前線で鳴っていて奥行表現は全くというほどになくなってしまっていたからです。

 

対してシルバーワイヤーのKHAN Cは大当たりです。たまたま相性が良かっただけなのでしょうが完璧と言えます。

なぜかというと低域の定位は一番奥なままに音量は増して存在感が増しています。

ぽっかりと空いていた中低域~低域の隙間は完全に埋まりました。ここの空白が埋まってしまえば奥行感は消えてしまうと思っていましたが定位は変わっていないので問題ありません。

センターで腰を据えて深く広く、DDの良さが活きています。

質感は乾き気味で、ここも開放型ヘッドホンらしさを感じる点ですね。

乾いてはいるのですが、Maverick 2ほどはパッキパキではなく、電子音的な極低域も鳴らせます。

KHANでは鳴らせるイメージを持つ方は少ないと思われるので、大分低域の質感が変わっていることが分かるかと思います。

 

高域は少しだけ落ち着いたでしょうか。KHANのツイーターをポン付けしたような別物感は薄れています。これを求めている方は注意するべき点かもしれません。伸びやかさは衰えずに質感が変わったという感じです。

刺さりはどちらでのKHANでも感じないのですが、少しだけ冷たく「パシャーン」となる感じはKAHN Cだと薄れました。

ここは恐らく内部配線と、ユニバーサルのKHANだとノズル部にステンレスを採用していることも関係あるのかな、と思います。

 

DDとピエゾの、いうならば異物感は消え、悪い意味でのハイブリッド感はなくなりました。

繋がりの良さでいえばKATANA・ENCOREと同等かと思います。かつ比べると更にワイドレンジです。

 

 

どこで書くか迷って最後になってしまいましたが、情報量・解像感はKATANA、ENCORE、LAYLA2よりも優れています。これには正直困りものです。

この3種はその辺りはかなり優れているにも関わらず、KHAN Cの方が良くなってしまいました。

 

KHANを聴いた後だと3種は多ドラらしく音圧が高く、ハイテンションな音に思えてきます。

気分的にこのハイテンションな音が聴きたいときは勿論ありますが、リラックスした聴き方ができながらも情報量・解像感が優れているKHAN Cが一番聴く機会が多くなりそうです。

ユニバーサルKHANを所有している時は、上の3種と比べても差はあまりないと思っていたので、シルバーワイヤーが効いているのかと思います。

 

 

最後に

KHAN Cはまず開放型ヘッドホンを所有している方にお勧めです。カスタムのフィット感・遮音性で近い音場が味わえるのはこれしかないでしょう。

またアニソン・Jpopをよく聞く方にもオススメです。私自身オタク人間なので、あまり音質がよくない曲を聴くことはよくあるのですが、その手の音源に対してはKHAN Cは圧倒的に優れているかと思います。

いわゆる「音圧が高く近くでやかましく聴こえる音源」が奥目で鳴るので聴き疲れることがないです。

この手の音源はナロー・低解像度なイヤホンか、ウォーム・シルキーな音で聴きあたりが良い物で聴くのが良いと思いますが、ワイドレンジで高解像度で聴くにはKHAN Cが手持ちの中では間違いなく一番でしょう。

 

 

聴けばわかるといいたいですが、試聴機がないのが困りもので、だらーっと文章を書いてしまいました。

このKHAN Cの優れた「音場」「解像感」「情報量」「カスタムのフィット感・遮音性」の特徴を全て持っているイヤホンは他にはなく、ここでほしいと思えれば間違いなく買いです。

正直KATANA・ENCORE・Layla2よりも基礎的なスペックである情報量・解像感が上回っているだけに、誰にでもオススメしたいです。

 

聴けない以上、他の人でも聴けるイヤホンと比べるしかないですが手持ちのイヤホンでは一番優れていると思います。

また実際に買わないとわからないこともありますが、試聴程度ですとKHAN Cがあれば事足りるとも思えます。

何かハイエンドイヤホンを狙っているなら、安っぽい言葉ですがKHAN C、超オススメです。